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堀江 振一郎 校長

 技術者は、古今東西あらゆる社会の中で、常に重要な役割を果たしてきました。また、これからの時代、大学・高専・短大などの高等教育の中で、実践的・専門的な技術・能力を身につけることはますます大切になっていきます。

 国立和歌山工業高等専門学校は、豊かな人間性と国際性を備えた技術者の育成を目的とする高等教育機関です。ものづくりなどの技術に興味を持ち、それを将来職業にしようとする学生に対し、中学卒業後5年間の一貫教育を行います。実践的な学問である工学を身につけるには、早い時期から勉強を始めることが大切です。専門性の高い教授陣がそろった本校では、実験実習に重点を置いたレベルの高い工学教育を早い段階から行っています。技術者を目指す学生に最適な環境が準備され、卒業生の多くは技術者として産業界など各方面で活躍しています。

 5年間の本科卒業後すぐ就職を希望する学生は、毎年10数倍の求人倍率となる企業の中から就職先を選び、和歌山県内・県外の有力企業にほぼ100%就職しています。さらに勉学を続けたい学生には、本校内に引き続き2年間の専門教育を行う専攻科があり、専攻科修了後は大学院に進学することもできます。また、5年間の本科卒業後、大学の工学部等の3年次に編入学を希望する学生は、ほぼ全員が国公立大学などに進学しています。工学のしっかりとした基礎を身につけている本校の卒業生は、進学先の大学や大学院でも高く評価されています。

 国立和歌山工業高等専門学校は、海と山に囲まれた自然の中にあり、大規模な学生寮を持つことが一つの特色です。ほぼ15歳から20歳までの少年期から青年期に至る時期は、人間形成にとってとても大切な時期です。自然環境に恵まれた中ですごす寮生活、文化・スポーツのクラブ活動、さらに、ロボコン出場への競争と協力などの経験は、技術者としてはばたく将来にとって、とても有意義です。また、男女共同参画社会の現在、工学を身につけた女性技術者の社会進出を支える学校として、女子学生も多数入学しています。

 本校は、和歌山県の中南部地域でただ一つの高等教育機関です。学校が少しでも地域産業の活性化や地域社会の発展の力となるよう、常に努力を続けています。共同研究、公開講座、現役技術者の教育などを通じ、地域の企業や公的機関との交流にも前向きに取り組んでいます。

 日本人技術者が時代を超えて伝えてきたすぐれた伝統を踏まえながら、21世紀の前半から中盤の高度技術社会に対応した人材育成と地域貢献に、力強く歩みを進めていきたいと思います。